分かち合いと折り合い
(2023年9月 港区お台場アカデミー学校運営協議会だより)
昨年度に引き続き,学校運営協議会長を仰せつかりました。国立教育政策研究所の教育心理学担当の総括研究官として,幼稚園児から中学生までを範囲に,学ぶことと教えることの研究をしています。お台場地区の地域学校協働の推進に尽力いたします。よろしくお願いいたします。
学校運営協議会制度は,学校,保護者,地域の方々が協働して,「地域とともにある学校」を実現するための仕組みです。子どもが安全で安心して過ごし,いきいきと楽しく学び,保護者や地域に信頼される学校づくりを進めていきます。
このような学校づくりを進めていくには,学校の先生方が,保護者や地域を信頼し,楽しく授業を行い,安心して仕事することが至要です。お台場アカデミー学校運営協議会では,「学校とともにある地域」づくりにも取り組みます。
学校の役割のひとつは,日々の教育活動を通じて,ゆくゆくは子どもが「自分らしく自由に」生きていけるようにすることです。一人ひとりが「自分らしく自由に」生きていくには,他者のその人らしさと自由も尊重しなければなりません。そして,目に見える持ち物,目に見えない知識や技能,喜びや悲しみなどを分かち合うことで,多くの人々が「自分らしく自由に」生きていけるようになるはずです。時には,互いに考え方や意見の折り合いを付けなければならない場面もあるでしょう。
「地域とともにある学校」と「学校とともにある地域」の両方を実現しようとする過程では,最適解を導くために,折に触れて学校,保護者,地域の方々が分かち合うこと,折り合うことが求められます。大人が分かち合う姿,折り合う姿を子どもに見せること。これは,「自分らしく自由に」誰もが生きていける社会の担い手として,子どもが育つためにも,意義のあることだと思います。
(学校運営協議会長 山森光陽)

