19年目のお台場海苔づくり

都漁連内湾釣漁協議会 活動報告(2024年1月 http://tsuriryo.com/activity/240202nori.html

冬になると浜に漁船が並ぶ,海に海苔網が張られる,お台場学園通りに板海苔の乾く音が響く。お台場の子どもにとっての,ふるさとの海の情景です。本校小学校5年生の総合的な学習の時間として実施する「お台場海苔づくり」は,2023年度に19回目となりました。都漁連内湾釣漁協議会のみなさまには,この間,毎年多大なご協力を賜り,厚く御礼申し上げます。

本校の校長は2024年1月の学校だよりで,「お台場の海は,ただそこにあるだけでなく,子ども達の生き方に深く根付いている」と述べております。子どもがこのような姿を見せるようになったのも,お台場海苔づくりをはじめとした海辺の環境学習の成果です。海辺での学習を展開できるのは,都漁連内湾釣漁協議会のみなさまのご協力があってこそと,あらためて感謝申し上げます。

今年度のお台場海苔は,12月の第2土曜日から1月最終の土曜日まで,種網を学校前の浜に張りました。支柱立て,網張り,網の引き上げ,支柱の抜去には,お手伝いいただく船が不可欠です。

海苔は1月中旬までは順調に,色,つや,味もよく育ちましたが,これ以降,あまりよく育ちませんでした。海水温,栄養塩の供給状況,降雨,食害などの要因が考えられますが,決定的な理由は分かりません。このような正解のない状況に直面した子どもは,海の不思議さを感受し,漁業を仕事とする方々を尊敬し,自身を取りまく自然環境と,さまざまな方々の活躍で成り立っている社会のあり様とあり方を,自分事として考え続けながら,大人になっていきます。

お台場海苔づくりは,来年度,2024年度には20年目を向かえます。本校学校運営協議会としては,20年目も,その先も,お台場の海が子どものふるさととなり,一人ひとりの生き方に深く根付く学習の機会をつくり続けていきたいと考えております。都漁連内湾釣漁協議会のみなさまには,倍旧のご高配を賜れば幸いです。

(港区立お台場学園港陽小・中学校学校運営協議会長 山森光陽)

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